処分につき行為能力の制限を受けた者(被保佐人、被補助人など)、又は、処分の権限を有しない者(不在者財産管理人、権限の定めのない代理人など)は、賃貸借をする場合には、以下の期間を超えない範囲でのみ契約をすることができる(602条)。このような短期の賃貸借契約を、短期賃貸借という。
1. 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 10年
2. 上記以外の土地の賃貸借 5年
3. 建物の賃貸借 3年
4. 動産の賃貸借 6箇月
以前は、短期賃貸借は、その期間の範囲で先に登記された抵当権にも対抗(優先)することができた(旧395条)。しかし、執行妨害で悪用されるなど弊害が目立ったため、現在は、対抗できるとしたのを改め、6ヶ月の明け渡しの猶予期間を認めている(現395条)