地上げ屋(じあげや)とは、建築用地を確保するため、地主や借地・借家人と交渉して土地を買収する人・企業のこと。バブル景気時には、強引な手法による不動産の売買が問題となった。
以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。
都市における土地は、細切れの状態よりも街区単位でまとまっている方が大規模な建築物が建てられ、面積あたりの利用価値が高くなる。そのため細切れの土地を買い取り区画を大きくして再開発用地等に提供する手法である。 土地の整理分合をして公共用地を生み出し、なおかつ地区全体の土地の価値を高めるという点では、土地区画整理事業や市街地再開発事業などの都市計画事業(面整備)は公的な地上げ行為と言えよう。 バブル期においては地主や住民を恫喝する等強引に土地を買い漁り、街区単位でまとまった段階で転売して膨大な利益を上げる地上げ屋が台頭していた。
1980年代後半のバブル景気の時には、地価が右肩上がりで上昇を続けた。こうした中で、暴力団が関わっての暴力的手段による立ち退きや、金に糸目を付けない買い取りなど、強引な手法で土地の売買を行う業者が目立つようになり、地上げ屋はネガティブな表現として用いられることが多かった。
1990年代に入ると、初頭にバブル景気が崩壊し、地価が下落。それに伴い地上げ屋は目立たなくなっていった。その後、90年代後半に海外からの資金により不動産ファンドが活性化、市場に勢いが出てくると、それにつられて地上げ屋は再び姿を現すようになる。
2000年代に入り、景気回復に伴いオフィスなど不動産市場は活況を呈した。だが、サブプライム問題などもあり、不動産市況に影がさすようになる。こうした中で、立ち退きを拒否する入居者がいる「訳あり物件」を安く購入し、強引に入居者を追い出した後高く売り払う地上げが問題となった。