外断熱工法(そとだんねつこうほう)とは、躯体の外側に断熱材を配置する断熱工法である。欧米では、コンクリート建造物の標準的な断熱工法としてドイツ・北欧を中心にオイルショックを機に数十年も前から使用されていた。日本では内断熱工法が標準的に使用されてきたが、近年外断熱工法への注目が高まっている。
建物(コンクリート構造物)の外側を断熱材で覆うので、建物の躯体が室温と同調し、以下の利点があるといわれている。
1. 室内に結露が発生せず、カビ・ダニの被害が抑えられる(アレルギー予防)。
2. 外気温変動による躯体の膨張収縮が少なく、耐久性が高い(環境低負荷・高資産価値)。
3. 高い熱容量を持つ躯体(特にコンクリート建造物では顕著)が断熱材の内側に置かれるため、室温の変動が抑えられ冷暖房の効率が良い。(省エネルギー効果)
4. 建物内部(部屋間)の温度差が少なく、ヒートショック現象が起こりにくい。
なお、外断熱工法という場合、マンション等のRC(鉄筋コンクリート)構造の外断熱工法と木造を中心とする戸建て住宅の外張り断熱工法の両方を含めることもあるが、この二つは本来別物であり、ここで外断熱工法と呼ぶものはRC構造やメーソンリー構造など熱容量の大きい建物に限定する。