斜線制限(しゃせんせいげん)とは、建築物の各部分の高さに関する制限のこと。建築物を真横から見たとき、空間を斜線で切り取ったようになることから、斜線制限と呼ばれる。通風、採光等を確保し、良好な環境を保つことが目的である。
主な斜線制限には、道路斜線、隣地斜線、北側斜線や日影規制などがある。それぞれ、敷地の周囲にある道路、水路、隣地、河川や公園などから発生する架空の斜めの線のことで、建物を設計する際にはこれらの斜線に建物が当たらないように計画しなければならない。しばしば、マンションやオフィスビルなどの建物の道路側の上方に、三角柱状に切り取られたような部分がみられるが、それは斜線制限の範囲内でできるだけ高さや容積を確保することを意識して設計した結果であることが多い。
制限される高さの算出方法は、用途地域や高度地区などによって異なる。
建築物が占める空間は、この斜線制限・容積率・日影規制などの制限をクリアしなければならなかったが、2003年 (平成15年) の建築基準法の改正では、高さ制限に新たに天空率という概念が盛り込まれた。天空率とは、全天に対して建築物によって塞がれていない部分 (天空) に対する立体角投射率のことであり、これが斜線制限に適合する建物と同等以上であれば斜線制限の適用を除外するというものである。