金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)とは、将来の弁済を約束した上で、金銭を消費するために借り入れる契約のことである。一般的に、銀行や消費者金融等の金融機関等が貸主となって締結されることが多い。金消契約、ローン契約などと略称する。
消費貸借契約とは、借りたものそのものは消費することを前提に、借りたものと同じものを同じ数量を返却することを約束して、物や金銭を借りる契約のことであり、このうち、金銭の貸し借りを契約したものを金銭消費貸借契約という。
金銭消費貸借契約は、判例によれば要物・不要式契約であるから、借主が将来の弁済を約束し、貸主が借主へ金銭を交付した段階で有効に成立する。
しかしながら、一般的に、金銭消費貸借契約を締結する場合には、金銭消費貸借契約書または借用証書が作成されることが多い。これは、契約の存在を確認・証明し、後日の紛争を未然に防ぐためになされる。
金銭消費貸借契約書または借用証書の効力には差がないが(どちらも紛争の際には証拠となりうる)、金銭消費貸借契約書は借主・貸主それぞれの手元に置くために、正本を2通又は正副2通を作成することが多いのに対し、借用証書の場合は借主が署名押印して貸主へ差し入れる事が多いので1通しか作成されない場合が多い。
金銭消費貸借契約書は貸付けを行う前に締結することも多いため、この場合には、当該契約内容自体は、判例理論から金銭消費貸借契約の予約であるが、学説では、諾成的金銭消費貸借契約として理解する見解が有力である。