入母屋造(いりもやづくり)は、東アジアの伝統的屋根形式のひとつである。広義には当該形式の屋根をもつ建築物のことを指す。単に入母屋ということもある。この形式の屋根は西洋では少ないが、中国、韓国、日本、台湾のほか、ベトナム、タイ、インド、インドネシア等、東洋の寺院でもよく見られる。
入母屋造の屋根は、上部においては切妻造(長辺側から見て前後2方向に勾配をもつ)、下部においては寄棟造(前後左右四方向へ勾配をもつ)となる構造をもつ。日本においては古来より切妻屋根は寄棟屋根より尊ばれ、その組み合わせである入母屋造はもっとも格式が高い形式として重んじられた。法隆寺の金堂や平安神宮大極殿のほか各地の城郭建築でも見ることができる。
京都御所の紫宸殿のように切妻部分と寄棟部分の角度が一続きでないものは錣屋根(しころやね)と呼ばれる。