生垣(いけがき)とは、生きた植物によってつくられた垣根。樹木を列植して、刈り込んで形を整えたものが多い。
特徴と効用
他の垣根や塀に比べると物理的な強さが劣り、維持管理に手間がかかるが、造成時の経費が少なく、永続性があり、災害時の危険性が少ない。さらに重要なことは、生きた植物のもつ特性、すなわち生命感をもつ色彩の美しさ、変化性、柔軟性、適応性、総合性などから観賞用、装飾用としてもすぐれた特徴をもつ。またその効用には、境界を区別する、外部からの侵入を防止する、内部を遮蔽する、防風・防火など災害を防止する、自然感を強め景観をよくする、植物の活動による微気象の調節、酸素生成、植物体の有害成分・塵埃の吸収・吸着などによる大気浄化、適度の通風など環境保全・改善の働きが大きいなどがある。以上のように、生垣は人間生活とその環境を考えると好ましい面を多くもつ。山形県では食用としても利用されている。
種類
生垣には次のような種類がある。
刈込みの有無 - 無刈込生垣、刈込生垣
生垣の高さ - 高垣(3メートル以上)、低垣(1メートル以下)、普通垣(その中間)
生垣の構成 - 1段垣、2段垣、多段垣
使用植物の種類 - 単植垣(サワラ生垣、バラ生垣などと称する)、混植垣(混ぜ垣ともいう)
仕立て方 - 総刈生垣(全体を一様に刈り込み連続的に仕立て、さらに断面の形から方形生垣、梯形生垣、円頂生垣などに分ける)、玉刈生垣(植物それぞれが丸く刈り込まれて両側で接する)、波状生垣(その中間形)
使用植物の性状、使用目的 - 花垣、果樹垣、蔓垣、竹垣、笹垣、履垣、土坡垣